空前のおにぎりブームがやってきた。昭和29(1954)年創業、東京で最も古いおにぎり専門店として知られるのが、おにぎり浅草宿六(台東区)だ。カウンター越しに注文を受けてから握るのも、片側がきりっとそびえ立つ海苔の巻き方も創業時から変わらないスタイル。
ショーケースには全国各地から厳選した色とりどりの具材が並ぶ。羽釜で炊くご飯はふっくら艶やか。3回だけ軽く握るのが美味しさの秘訣という。口の中でほろりと崩れるご飯と具、海苔の風味が渾然一体となって舌を喜ばせる。昨年、おにぎり店として世界で初めてミシュランガイドに掲載されて大きな話題に。
「僕にとっては子供の頃から食べてきた味。初代の祖母から伝わる“東京のおにぎり”を昼は僕、夜は母が握ります」(3代目の三浦洋介さん)