世界ランキング1位となったプロテニス選手の大坂なおみにまつわる報道が、ネットで反感を買っている。慣れない日本語をわざと喋らせて、テニスそのものより「ナオミ節」を強調したメディアの報じ方が嫌われている。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、大坂なおみをめぐるメディアの姿勢について考えた。
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ネットでは「マスゴミ」という言葉がよく使われるが、テニスプレイヤー・大坂なおみをめぐっては特に頻出する。大坂が全豪オープンで優勝し、世界ランク1位が確定した翌日のスポーツ報知電子版に、〈大坂なおみ、「日本語で答えて欲しい」との質問に「英語で言わせていただきます」〉という記事が出た。記者が「今の気持ちを日本語で」と聞き、これに大坂は日本語で答えたが、試合がいかに大変だったかを日本語で話すよう言われると「英語で言わせていただきます」と言い、その後は英語で喋ったという。
これに対しては「マスゴミ」批判的書き込みが相次いだ。「もうこれマスコミによるハラスメントだな」「大坂を苦しめるなクソマスゴミ」などだ。そして、この2つが真理を突いているかもしれない。
「マスゴミはサンコンさんレベルで微笑ましいと思ってるんだろ」
「要はテレビ映えのするたどたどしいナオミ節を撮ろうという魂胆が見え見え」
昨年9月、全米オープン優勝後に来日した際は、テニスの話題とは関係のない「日本で何をしたいか」と質問し「原宿に行きたい」「ジェットコースターにも乗りたい」と喋らせ、サンスポの記事では「無邪気に答えた」と表現した。
メディアの大坂への扱いの要点は以下3つだろう。
【1】「世界で活躍する日本人」を出し、自らも誇りに思いたい。
【2】語彙が少なく、きちんとした敬語ではない日本語を喋らせ「かわいらしいですね」とスタジオで言い合いたい。
【3】日本で行きたい場所や食べたいものを聞き、「日本をあまり知らない子のほのぼのとした様子」を見て歪んだ優越感を抱きたい。