あなたは何のために働いているのですか――? AI(人工知能)やロボットの台頭を否定的にとらえる人たちに対して、堀江貴文氏はそう疑問を投げかける。「AI時代の生き方」を考える短期集中連載の第4回。最新刊『僕たちはもう働かないでいい』が話題を呼んでいる堀江氏は、働く根源的なモチベーションが何なのかを、いま一度、見つめ直してほしいと説く。
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テクノロジーは決して、人々の仕事を奪うものではない。AIやロボットも同様だ。彼らは、むしろ人に新しい仕事を増やしていくものと考えていい。彼らをケアするための新しい学問が生まれ、システム従事者やメンテナンス技師、AIアプリ開発の仕事は、慢性的に人が足りない状態になる。
また多くの人間にとって「面倒くさい」仕事をAIやロボットが引き受けてくれるというなら、「面倒くさくない楽しい」仕事は、グッと増えていくはずだ。具体的には、人間のコミュニケーションが価値そのものであるような仕事だ。
例えば、ソムリエやパティシエ、カリスマ家電販売員やBOOKキュレーター、カウンセラーなどの需要はますます高まるだろう。マッサージ師や美容師、パフォーマンスで見せるアーティストやお笑い芸人、タレントの活躍の場も増える。
ソフトバンクの孫正義さんは、「いまはAIのエンジニアとデザイナーが必要。ハイテクでなく、ハイタッチで人の心にタッチできる仕事が求められる」と語っていた。的確な見識だ。AIロボットが社会進出を果たしていったとき、私たちは、人にしかできないものは何か? という根源的な問いを突きつけられることになる。