放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は4月からの夕方のニュース番組に抜擢された加藤綾子アナについて。
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カトパンこと、フリーアナウンサーの加藤綾子が4月から古巣であるフジテレビで、夕方のニュース番組のメインを務めることになったと、4日、スポーツ紙が一斉に報じた。
同局社長の肝いりで、全時間帯のニュースに「プライム」のタイトルがついていた中でも、BSフジで人気を博していた反町理解説委員が出演する『プライムニュース イブニング』はメインといっても過言ではない枠だった。
が、「NHKの麿」こと登坂淳一氏が過去のセクハラ問題を理由に開始直前、降板。女性視聴者に人気の高い「麿」がいれば、反町氏が活きたであろうに、同氏がメインでは、女性視聴者には少々ツラかったと思う。
◇夕方の帯ニュースは激戦区
夕方の帯ニュースは、視聴率のいい順に、日本テレビの『news every.』が藤井貴彦アナ、テレビ朝日の『スーパーJチャンネル』が、渡辺宣嗣・元アナ、TBSの『Nスタ』は井上貴博アナがメインを務めている。
『~every.』の魅力は、サブキャスターの陣内貴美子氏や、日テレのOBアナらが「No.1」とその実力を評価している鈴江奈々アナ、さらにはオバちゃんキャラ炸裂の小西美穂キャスターら、チームワークの良さと明るさが高視聴率に結びついている。
『~Jチャンネル』は、『ニュースステーション』の久米宏氏をリスペクトし、同局の朝ワイドから『朝まで生テレビ』までを仕切ってきた渡辺・元アナと、コメンテーターの大谷昭宏氏、萩谷順氏らが醸し出す安定感と信頼感。さらには、テレ朝自慢の若手美人女子アナがサブに着くバランスの良さが魅力だ。
『Nスタ』は、『みのもんたの朝ズバッ!』で鍛えてきた井上貴博アナと、バラエティーでも賢さを発揮するホラン千秋、さらには國山ハセンアナ、熊崎風斗アナと、構えは若いが、コメンテーターや気象予報士に“おじさん”を据えることで視聴率を上昇させている。
カトパンは、この激戦区に参戦するというワケなのだが、人気抜群の彼女をメインに据えたからといって、すぐに視聴率がアップするかといったら、それは「NO」だろう。
かつてTBSが、局の顔であり、バラエティー、料理番組から番宣番組に至るまで起用してきた小林麻耶さんがフリーになったタイミングで白羽の矢を立てた『総力報道!THE NEWS』に“事情”が似ているのも気になる。当時、TBSでは19時台の人気バラエティー番組を別枠に“御引越”をさせてまでスタートしたのに、キャスター・小林麻耶さんがお茶の間になじむ前に、視聴率が振るわなかったことを理由に、わずか一年で終了してしまった。