首都圏でも積雪予報の出るこの時期──雪道走行で履き替えなくて済むクルマの“夏タイヤ”があればこんなに便利なことはない。そこで近年、オールシーズンに対応したタイヤも登場しているが、モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏は、「決して万能ではない」と警鐘を鳴らす。
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いま、タイヤマーケットで注目が高まっているのが、サマータイヤ、ウインタータイヤに続く、第3のタイヤとなる「オールシーズンタイヤ」です。
サマータイヤのように雪のない路面や濡れた路面を走れるだけでなく、ちょっとした雪道もこなせるのがオールシーズンタイヤ。欧米では非常に人気が高く、ドイツでは乗用車の約1割のシェアを獲得しているとか。また日本でも、バスやトラックなどはオールシーズンタイヤを利用するクルマが増えています。
そんな便利なオールシーズンタイヤですから、日本でも人気が出るだろうと、主に欧米ブランドによる日本市場導入が、ここ2~3年の間に活発になってきました。
気が付けば、グッドイヤーの「ベクター 4シーズンズ ハイブリッド」をはじめ、ピレリ「チントゥラート オールシーズン プラス」、ミシュラン「クロスクライメート」、ファルケン「ユーロウインター HS449」といった銘柄が販売されるようになりました。数あるうちに日系なのは、唯一、ファルケンだけです。
ちなみにミシュランのクロスクライメートは、1年ほど前にオートバックス限定での先行発売が開始され、今年から全国への本格販売がスタートしています。つまり、ミシュランは「日本市場でオールシーズンタイヤは売れる!」と確信したのでしょう。
ちなみに、なぜ、オールシーズンタイヤが夏も冬も履けるかといえば、最新のゴムの技術と特殊なトレッドパターンの合わせ技だからです。冷たい雪道でも柔らかさを維持するゴムと、雪にしっかりと食い込み、それでいて濡れた舗装路で水を上手に排出するトレッドパターンを採用しているのが、夏も冬も走れる理由です。
ただし、オールシーズンタイヤは決して万能ではありません。