アジア大会で6冠、MVPを獲得し、東京五輪のメダルを期待されていた競泳女子の池江璃花子(18)が12日、白血病と診断されたことを公表した。かつて、同様に現役生活中に白血病を患っていたことが発覚したアスリートがいる。1999年ドラフト4位でプロ野球オリックス入りした岩下修一氏(45)だ。
岩下氏は希少な左サイドスローとして1年目から44試合に登板するなど活躍したが、最初に異変を感じたのは2年目のシーズン中の2001年7月のこと。社会人を経てプロ入りした岩下氏は当時、28歳だった。
最初は、体にだるさを感じる風邪のような症状から始まった。38~39度の熱が出て、目には充血がみられた。ちょうど同じ頃に親知らずを抜いたところ、出血が止まらなかったために、病院で診察を受けたことから、病に冒されていることが明らかになった。岩下氏が振り返る。
「病院で検査を受けたところ、血液に異常があるので血液内科に行くようにいわれました。さらなる検査の結果、入院が必要だと告げられました。“単なる風邪だから2~3日かな”と思っていたら、『4か月は入院しなくてはいけない』といわれたのです。どういうことかと聞くと、『急性骨髄性白血病だ』と告知されました」
当初は、どのような病気なのかを詳しく知らず、ピンとこないところがあったという。
「『血液のがん』という認識がなかったので、告知されてパニックに陥ることはなかったです。先生も命に別状がないこと、4か月入院して抗がん剤を使った治療を行なえば大丈夫と説明してくれて、落ち着くことができました。シーズンの真っ最中だったので、“今季はダメだな……”というショックはありましたが、自分の中では秋に退院して、すぐにでも野球が再開できると軽く考えていました」