「ハイ!メルセデス」「どうぞ、お話ください」「いつもの音楽をかけて」──メルセデス・ベンツ新型「Aクラス」のテレビCMを見た人も多いだろう。クルマと会話できる先進機能ばかりが注目を浴びているが、その他の性能はどうなのか。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏が、「Aクラス」のライバルとなる小型BMW、VW(フォルクスワーゲン)との徹底比較を行った。
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メルセデス・ベンツの「Aクラス」がフルモデルチェンジを行い、2018年10月に日本での発売が開始となり、昨年末くらいから納車がボチボチと始まっています。
「Aクラス」は、メルセデス・ベンツとしては、最も小さなクルマですから、ブランドのいわゆるエントリーカーとしての役割があり、お値段も意外と抑えめです。今度の新型は、「A180」で322万円、装備を充実させた「A180 Style」で362万円というプライスタグがつけられました。
そこで気になるのは、ライバルとの違いでしょう。
ライバルとなるのは、BMWの「1シリーズ」。そして、欧州ハッチバックの雄となるVWの「ゴルフ」。この2台が「Aクラス」の最大のライバルとなります。
お値段のほうはといえば、「1シリーズ」は「118i」が320万円、「118i Fashionista」と「118i M Sport Edition」が382万円。「ゴルフ」は「TSI Highline」が331.9万円、「ゴルフTSI Highline Tech Edition」が352.9万円。はかったように、3モデルとも300万円台前半と後半のグレードを用意しています。まさに競合ですね。
ここで面白いのは、エンジン性能も、ほとんど同じということ。「Aクラス」の「A180」が、1.4リッター直列4気筒ターボ&7速DCTで、最高出力100kW(136馬力)・最大トルク200Nm。