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高血圧治療ガイドライン「130未満」に引き下げたら何が変わる

高血圧患者は推計4000万人以上いる

 今年4月の高血圧治療ガイドライン改訂で、高血圧の治療目標が、これまでの上(収縮期血圧)が「140未満」から「130未満」にまで引き下げられる方針だ。“ちょっと厳しすぎるのでは”と思った人は、大きな勘違いをしている──。

「血圧130」のリスクを明らかにした『NIPPON DATA80』という調査がある。同調査の主任研究者で滋賀医科大学名誉教授の上島弘嗣氏が話す。

「1980年に厚生省(当時)が実施した調査を起点に、全国からランダムサンプルした約1万人を、14年にわたって追跡調査したものです。国民の代表集団を追跡した大規模な調査は国内では他に例がなく、2003年の発表以来、現在に至るまで、各種研究や日本動脈硬化学会の診療ガイドライン策定などに活用されてきました」

 同調査によれば、上の血圧が120未満の人に比べて、130台の人は2.62倍、180を超える人は4.69倍も脳卒中による死亡リスクが高かったのだ。

「血圧が上がると必然的に血管へのダメージが大きくなる。脳の血管が破れたり詰まったりするリスクが上昇する。ですが、現在は一般に“正常値”とされる130台でも脳卒中死亡リスクが2.62倍になるというのは驚かれる方も多いかもしれません」(同前)

◆「薬で下げる」のもリスク

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