衝撃の告白前夜。堀ちえみ(52才)は散り散りになっていた7人の子供を東京の自宅に呼び寄せ、手巻き寿司パーティーを楽しんでいた。
「この日は息子さんの高校の卒業式があったんです。2月4日に口腔がんと診断された堀さんは19日にブログで告白し、その日に入院。22日に手術を受けることを明らかにしています。
診断から入院まで時間があいた理由の1つが、息子さんのことです。手術は口や首にメスを入れるため、しばらく外に出られない。堀さんは“絶対に卒業式に出たい”という思いがあり、入院を遅らせたそうです。彼女はどんなことがあろうと“家族が第一”なんです」(堀の知人)
堀を襲った口腔がんとはどういったものか。口腔がん治療の第一人者で、東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座の柴原孝彦教授が解説する。
「唇や舌、歯肉、顎など、口のまわりのあらゆる場所にできるがんのことです。堀さんの場合は舌にできた『舌がん』で、口腔がんの中でも最も罹患率の高いものです。この40年で女性の罹患者が2倍以上に増え、死亡率も上がっています。
舌がんの原因はウイルス性か慢性的な刺激によるものかですが、圧倒的に後者が多い。喫煙や飲酒、熱いものをよく食べる、歯で舌を傷つけてしまう、ということも原因となる。厄介なのは一見して口内炎や歯槽膿漏、歯肉炎などと間違われやすいこと。しかも無痛なので、病院の受診が遅れてしまい、気がついた時にはかなり進行している。実際、発見された時点でステージIIIの患者さんが半数以上います」(前出・柴原さん)
堀を診た医師も進行がんを告げた。しかも首のリンパ筋への転移があるステージIV、つまり「末期」状態だった。
振り返れば、堀の人生は病気との闘いの連続だった。1982年、15才で歌手デビューした堀は、翌年、主演ドラマ『スチュワーデス物語』(TBS系)でブレーク。1986年、19才の時、音楽プロデューサーとの不倫が原因で、食べたものをすべて吐き出してしまう拒食症に近い症状に陥り、一時体重が50kgから35kgに激減した。それがきっかけとなり、アイドルとして人気絶頂だった20才で芸能界を電撃引退する。