2月11日、『歌のゴールデンヒット』(TBS系)が約4時間にわたって放送された。5回目の特番となる今回は『昭和・平成の歴代歌姫ベスト100』をテーマに取り上げ、オリコン集計開始の1968年から2018年までのデータで作成した女性歌手(ソロ、デュオ、グループ)のシングル総売上ベスト100を発表し、12.5%(ビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)という高視聴率を獲得した。その理由はどこにあったのだろうか。
著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)の中で、歌番組の歴史についても構造的に解析している芸能研究家の岡野誠氏が細かく分析する。
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『歌のゴールデンヒット』を紹介する新聞のテレビ欄には〈▽今夜しか見られない超貴重映像を大放出!〉という文言もあった。本当に“超貴重映像”だったのかを検証してみよう。
過去映像中心の番組の場合、いかにオリジナリティを出せるかに命運がかかっている。言い換えれば、PVやMV、ライブなどの映像よりも、TBS独自の素材が求められている。
4時間以上に及ぶ番組内で、ベスト100と番外編などを含め過去の歌唱シーンは144本オンエアされた。番組上のテロップを参考に調べると、TBSオリジナル映像は113本。全体の78.5%にも上った。内訳は以下の通りだ(番組名にはそれぞれの関連番組を含む。『輝く!日本レコード大賞』であれば『速報!日本レコード大賞』、『うたばん』であれば『とくばん』など)。
【1位】31回:輝く!日本レコード大賞
【2位】21回:コンサート映像(歌手のビデオやDVDなど)
【3位】16回:ザ・ベストテン
【4位】14回:COUNT DOWN TV
【5位】10回:記載なし1(おそらくPV、MVと推測される)
【6位】9回:うたばん
【7位】8回:日本有線大賞
【8位】7回:8時だョ!全員集合
【9位タイ】3回:トップスターショー歌ある限り、記載なし2(*注)
【11位】2回:JNN音楽フェスティバル
【12位タイ】1回:高島忠夫とヒット歌謡大全集、植木等ショー、ロッテ歌のアルバムなど多数
【*注:イントロクイズとして出題された森昌子、八代亜紀、岩崎宏美の映像はクレジットの記載がなかったが、映像背景や歌の年代、字幕スーパーなどからTBSオリジナルと判断】