就活塾・キャリアアカデミーの宇佐川景子氏は、よく就活生から「コネ入社ってあるんですか」と質問されることがあるという。コネ入社に対し、「不公平だ」という声がある一方、「採用する側、される側、双方にメリットがある」という意見もある。そもそも、コネ入社は実在するのか。宇佐川氏が、キャリアアカデミー講師にヒアリングを行った結果を報告する。
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キャリアアカデミーで就活生と向き合っている十数名の講師に尋ねたところ、「コネ入社」は間違いなく存在するようです。東証一部上場の大手エンタメ企業で新卒採用担当を務めていた講師によれば、「上司から、特定の学生を通過させるようにとお達しが来ることがありました」とのこと。続けて「同期のうち、半分はコネ入社でした。もっとも、コネは当たり前のことなので、さほど話題に上ることもなかったですね」と語っていました。
コネ社員は、どんな人が多いのでしょうか。複数の講師から得られた回答は、「老舗和菓子メーカー役員の息子」「某大手ホテルチェーン社長の娘」「鉄道会社の社長の息子」「大手出版社編集長の娘」など、大手企業、有名企業の御曹司、御令嬢が中心でした。
「コネ入社の人は出世も早いのではないか」という印象もありますが、実際はどうなのでしょうか。元エンタメ企業の講師によると、「入社後の扱いはほぼ平等。結果を出さなければ評価されません。入社後はあくまで社員のひとりとして働いてもらいます」とのこと。入社後は一般採用と同じ土俵で勝負をすることになるようです。
◆企業・就活生のメリット・デメリットは
ある講師は、コネ入社には企業側にもメリットがあると語りました。
「コネ入社を受け入れる企業にとっては、取引先に”貸し”を作れることがメリットです。また、コネ入社の社員は、人のつながりがあるので問題は起こさないですね。一般採用の場合、3回ほどの面接で学生の本音を見抜かなきゃいけない。エントリーシートには『精一杯貢献します』と書かれていても、内定が欲しくてうわべだけというケースもありますから、その点、コネ入社の社員を採ったほうがきちんと貢献しようとしてくれます」
別の講師によると、上手くいかない事例もあるといいます。