歌あり、踊りあり、寸劇ありの「昭和歌謡」のレヴュー(ショー)に引き込まれ、青春時代や子供の頃にタイムスリップ! リズミカルな笠置シヅ子のブギでは手拍子が、エノケンのコミックソングでは笑いが、キャンディーズの曲では大きな声援が飛び交っていた。
「懐かしさに胸が締め付けられる」「体に染みついていたリズム、メロディ、歌詞が甦る」「若い女性が昭和歌謡をやる姿が可愛らしい」「なんだか元気になる」「とにかく楽しい」……中高年の客から次々とそんな声が挙がる。
ステージに上がるのは虎姫一座。2010年12月、サザンオールスターズなどが所属する大手芸能事務所アミューズの大里洋吉会長(72)の発案で結成されたレヴュー集団だ。現在のメンバーは女性11人に男性2人で、女性のほとんどは平成生まれ。
現在上演中の演目は、戦前・戦後の昭和歌謡特集『VIVA! 昭和歌謡カーニバル!!』、『キャンディーズづくし!! 絶対カーニバル!!!』、1970年代~1980年代に世界的にヒットしたグループ・ABBAの特集『THANK YOU FOR THE MUSIC~Wb are Dancing Queens!~』の3つ。それらを合わせて月に40回ほど上演している。東京・浅草六区に定員80人の専用劇場を置き、結成以来約3400回公演、20万人以上を動員してきた。
客の多くは昭和歌謡を肌で知る中高年世代。一度観に行くとやみつきになる人も多く、なんと900回以上も通っている70代の強者もいる。100回以上足を運んでいる人も数十人はくだらない。