トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による2回目の首脳会談。今後、北朝鮮が本当に「非核化」するかどうかはまだ予断を許さないだろう。金正恩の頭の中は知る由もないが、経営コンサルタントの大前研一氏は「もし自分が金正恩だったら……を考えてみることは、発想力を鍛えるツールになる」という。
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日常のニュースも「RTOCS(注:リアルタイム・オンライン・ケーススタディ=現在の「誰か」に自分が成り代わり、その人の立場になって発想するトレーニング)」を試みる絶好の機会となる。
たとえば、このところずっと世界を振り回している北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長。安倍政権のように、何とかの一つ覚えで彼を批判するのは簡単だ。溜飲も下がるかもしれない。
だが、こうしたニュースさえも、やり方次第で自分の発想力を鍛えるツールとなる。
「もし自分が金正恩の立場だったらどうするか?」と問うのである。すると、金正恩の追い込まれた立場が手に取るように分かる。
父・金正日総書記の死によって、突然、北朝鮮トップのポジションが自分に回ってきた。その時、味方がいたわけではない。何か余計なことをすれば、自分が殺されるかもしれない。事実、兄である金正男を中国が推している、という情報も入っていたはずだ。周辺諸国とも関係はうまくいっておらず、アメリカや中国が自分の命を狙っているかもしれない。
もし、私が今の自分の年齢で金正恩の立場になったら、答えは簡単だ。死ぬまでとぼける。阿呆の振る舞いを続けるしか、逃れる道はないだろう。
だが、彼が父の後を継いだのは20代だ。この先30年も40年もとぼけ続けるわけにはいかない。では、どうするか。