平成の日韓関係は慰安婦問題から始まり、竹島問題、徴用工問題など、幾度となく問題が噴出した。元外務省駐韓大使の武藤正敏氏が言う。
「慰安婦問題では1992年の宮沢喜一首相以降、歴代首相がお詫びを重ねてきた。『アジア女性基金』を設立し、基金を通じて橋本龍太郎から小渕恵三、森喜朗、小泉純一郎までの歴代首相が個別にお詫びの手紙も送っています」
ところが、日本が謝罪を重ねても韓国の“反日”は過熱する──その繰り返しだった。
1993年に日本は慰安婦に関するお詫びと反省の「河野談話」を公表、同年に細川護煕首相(当時)が訪韓し、従軍慰安婦や徴用について陳謝したが、翌年、韓国では日本を核攻撃する『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』が100万部のベストセラーになる。
2010年に菅直人首相(当時)がお詫びの談話を発表した翌年には、サッカーアジア杯で韓国代表のキ・ソンヨンが日本人に対する侮蔑とされる「猿の真似」パフォーマンスを行ない物議を醸した。この時に「旭日旗を見て憤りを感じた」といった趣旨の釈明(実際に旭日旗はなかった)をし、以後、旭日旗が韓国ではタブーの象徴ということになった。
2011年10月の日韓首脳会談では野田佳彦首相(当時)がウォン急落が懸念される韓国を支援するため通貨交換協定を130億ドルから700億ドルに拡大させた。が、12月に韓国の民間団体がソウルの日本大使館前に慰安婦像を違法設置。直後の日韓首脳会談では李明博大統領が慰安婦問題を挙げて「優先的に解決を」と求めた。