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大和ハウス社長、32歳で入社して社長にまで上り詰めた

大和ハウスの芳井敬一社長(撮影/山崎力夫)

 戸建住宅をコア事業に、賃貸住宅、分譲マンション、商業・物流施設、ホテル運営など経営の多角化を進める大和ハウス工業。2018年4~12月期の連結決算は、純利益1843億円と7年連続で過去最高となった。業態を広げるなか、重視するものとは何か。芳井敬一社長に訊いた。

──平成元年(1989年)は何をしていましたか?

芳井:時代が昭和から平成に代わったとき、私は病院のベッドの上でした。その前年の1988年夏、車の運転中に追突されてしまい、椎間板を折る大けがをしてしまったんです。

 年末に手術して、1989年1月はまだ入院中。寝たきり状態で、本当に元通り歩けるようになるのかと、天井を見上げながら不安な日々を過ごしていました。

 私は大学卒業後、ラグビーで神戸製鋼グループに入りました。3年ほどで引退し、その後はグループ会社で働いていた。交通事故は、念願だった海外赴任が決まった頃のことでした。

 入院が長引き、海外赴任の夢も絶たれる中、「もう一度生き方をリセットしたい」と思うようになりました。そして退院後、1990年6月に大和ハウス工業に転職します。32歳のことでした。ですから、平成の30年はほぼそのまま、私の大和ハウスでの社歴でもあります。

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