国内

洗濯代行サービス創業の女性社長、次なる目標は宇宙進出

日本初上陸の洗濯代行店「WASH&FOLD」を展開する「アピッシュ」代表取締役の山崎美香さん

 東京・中目黒の高架下。白で統一された店内にはグリーンの観葉植物が生い茂り、お洒落なカフェと見紛うほどだ。

 スタッフに元気よく挨拶しながらその場に現れたのは、「アピッシュ」代表取締役の山崎美香さん(49才)。

 山崎さんが全国25か所で展開する「WASH&FOLD」は、日本初上陸の洗濯代行店だ。顧客の洗濯物を集荷し、洗濯・乾燥して畳んで返すサービスが大人気で、今やマンションやホテルからもお呼びがかかる。

 創業者の山崎さんは、東京都足立区に生まれた。本人いわく、中学生の頃は「日本一の不良」を目指す札付きのワルで、全寮制高校を1か月で退学してからはバイトと住居を転々とした。

「組織でまともに働くことがどうしてもできず、身内でカフェやケータリング事業をやっていました」(山崎さん・以下同)

 2004年秋、ケータリングの視察で出かけたアメリカで洗濯代行サービスに出合った。洗濯が苦手だった山崎さんは、ふわっとした仕上がりとキレイな折り目に魅せられて、帰国後すぐに起業。「洗濯は自分でするもの」との常識を打ち破って大成功を収めた。

 そんな彼女の願いは、業務を通じて日本の女性に「豊かな時間」を提供することだ。

「日本の女性は働いていても完璧に家事や育児をこなしますよね。自分ができないから“すごいな”と思うけど、“疲れたな”という時は代行サービスを利用してもいいはずです。洗濯代は贅沢なお金ではなく必要経費と割り切り、空いた時間を家族や自分のために有効利用して、生活を豊かにしてもらえれば」

 起業して感じたのは、意外にも「女性の壁」だった。

「家事で楽をすることに罪悪感を持つ女性も多い。日本では、家事は女性の仕事だというイメージを持つかたも多いとは思います」

「WASH&FOLD」は、「家事は男女平等に行うもの」という山崎さんの理念のもと、従業員に男女の区別はなく、ユニフォームはすべて同じ。異性が競い合うことも、同性がマウントを取り合うこともない職場を目指す。

「女性がバリバリ働くことは決して悪いことじゃないけど、そうした女性がオジサンのように威張り散らすことは、無理に男の人のまねをしているようで嫌なんです。

 男性も女性もなるべくナチュラルでいることができて、チャンスが平等に与えられる組織が理想。誰もが気負うことなく、自然体で自分らしくいられたらいいですね」

 そう微笑む山崎さんの次なる目標は「宇宙進出」だ。

「お金を払って宇宙を旅行するのではなく、仕事として宇宙を訪れて、いろいろなものを身につけることが昔からの夢。ミーハーみたいに見られるのはイヤですけどね(苦笑)」

 無重力の緩やかな感じがこの女性社長にはよく似合う。

【プロフィール】
株式会社アピッシュ代表取締役 山崎美香(やまざき・みか)●1968年、東京都出身。埼玉県の公立中学校を卒業後、静岡県浜松市の私立高校に進学するも、1か月で退学。アルバイトを転々としたのち、1995年にアパレル関係の個人事業を開始。1998年7月、有限会社アピッシュを設立(2006年に株式会社へ)。2005年、洗濯代行サービス「WASH&FOLD」事業をスタートし、現在に至る。

※女性セブン2019年3月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ
「スイートルームで約38万円」「すし代で1万5235円」フジテレビ編成幹部の“経費精算”で判明した中居正広氏とX子さんの「業務上の関係」 
NEWSポストセブン
記者会見を行ったフジテレビ(時事通信フォト)
《中居正広氏の女性トラブル騒動》第三者委員会が報告書に克明に記したフジテレビの“置き去り体質” 10年前にも同様事例「ズボンと下着を脱ぎ、下半身を露出…」
NEWSポストセブン
佳子さまと愛子さま(時事通信フォト)
「投稿範囲については検討中です」愛子さま、佳子さま人気でフォロワー急拡大“宮内庁のSNS展開”の今後 インスタに続きYouTubeチャンネルも開設、広報予算は10倍増
NEWSポストセブン
回顧録を上梓した元公安調査庁長官の緒方重威氏
元公安調査庁長官が明かす、幻の“昭和天皇暗殺計画” 桐島聡が所属した東アジア反日武装戦線が企てたお召し列車爆破計画「レインボー作戦」はなぜ未遂に終わったか
週刊ポスト
「岡田ゆい」の名義で活動していた女性
《成人向け動画配信で7800万円脱税》40歳女性被告は「夫と離婚してホテル暮らし」…それでも配信業をやめられない理由「事件後も月収600万円」
NEWSポストセブン
NewJeans「活動休止」の背景とは(時事通信フォト)
NewJeansはなぜ「活動休止」に追い込まれたのか? 弁護士が語る韓国芸能事務所の「解除できない契約」と日韓での違い
週刊ポスト
昨年10月の近畿大会1回戦で滋賀学園に敗れ、6年ぶりに選抜出場を逃した大阪桐蔭ナイン(産経新聞社)
大阪桐蔭「一強」時代についに“翳り”が? 激戦区でライバルの大阪学院・辻盛監督、履正社の岡田元監督の評価「正直、怖さはないです」「これまで頭を越えていた打球が捕られたりも」
NEWSポストセブン
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん(Instagramより)
《美女インフルエンサーが血まみれで発見》家族が「“性奴隷”にされた」可能性を危惧するドバイ“人身売買パーティー”とは「女性の口に排泄」「約750万円の高額報酬」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロ2人が並んで映ったポスターで関係者ザワザワ…「気が気じゃない」事態に
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・Instagramより 写真は当該の店舗ではありません)
味噌汁混入のネズミは「加熱されていない」とすき家が発表 カタラーゼ検査で調査 「ネズミは熱に敏感」とも説明
NEWSポストセブン
船体の色と合わせて、ブルーのスーツで進水式に臨まれた(2025年3月、神奈川県横浜市 写真/JMPA)
愛子さま 海外のプリンセスたちからオファー殺到のなか、日本赤十字社で「渾身の初仕事」が完了 担当する情報誌が発行される
女性セブン