「とにかく気配り力がすごい」──業界関係者の間でそう驚かれるのが美容家のIKKOだ。先日、ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)の現場で主演の菅田将暉が、豚汁作りを早朝の仕込みから手伝うなど気遣いを見せたことが報じられたが、気配り力を持つ芸能人は菅田だけではないようだ。
IKKOは番組の共演者に対しては、直筆の手紙と自分自身が使って良かったものやおいしかったものを楽屋に届けることで知られるが、贈る相手は芸能人だけではなく、その日の番組に登場する専門家なども含まれる。
以前、コメンテーターとして番組に出演していたことがある編集者は、「私のような者に挨拶をしてくれる芸能人など皆無です。番組のアシスタントのグラビアアイドルは『誰この人?』と思いながらも楽屋まで挨拶に来てくれますが、まさかIKKOさんがお手紙とプレゼントをくれるとは…」と語る。
また、IKKOは、広告業界からも貴重な存在だという。過去にIKKOが登場した商品発表会に携わったPRスタッフはこう語る。
「クライアントの偉い人や広告代理店の部長のような人に丁寧なのはもちろんのこと、私のような現場の若手にも同様な態度で接してくれます。私の仕事はいかにたくさんのメディア露出をするかが評価のポイントなのですが、IKKOさんは、その点で最高なのです」
日々行われている企業の商品発表会に登場する芸能人は、必ずしもCMに出演しているタレントばかりではない。最近は商品の世界観や特徴に合った人物をその日限りの「アンバサダー」として商品をPRしてもらうケースも多いのだ。
取材に訪れる記者からすれば、業界記者を除けばその商品を紹介するのは二の次で、あくまでも芸能人の写真を撮りつつ、何か「おいしい」発言を引き出すことを狙いとしている。だからこそ、最近の恋愛事情を質問したり、話題になったニュースのネタをふったりするのだ。
記事のタイトルとしては、例えば「女優・○○、逮捕された俳優・××について『あってはならないことだと思います』」といったものになる。ここには商品名は一切登場しないため、主催者たる企業とPRのスタッフとしては忸怩たるものがある。前出のPRスタッフはこう語る。