国内

天皇陛下「象徴」模索の礎になった本と美智子さまに贈った本

1959年 成婚直後の両陛下(ullstein bild/時事通信フォト)

 天皇・皇后両陛下は、3月26日に奈良県、4月18日に三重県に足を運び、それぞれ神武天皇陵と伊勢神宮を参拝する。これが、退位前の最後の地方訪問となる予定だ。

 平成に入って以降、両陛下は47都道府県すべてを2度以上訪れている。行幸啓に際しては訪問先の歴史や文化についての書物や資料に細かく目を通すという。

「お迎えする自治体職員や地元住民も知らないような深い知識が、会話の中で飛び出すこともある。両陛下の研究熱心さと読書家ぶりにいつも驚かされます」(皇室記者)

 天皇陛下が10代の頃、教育係を務めたのが、かつて慶應義塾大学塾長だった小泉信三だった。当時、講義に用いた書物の中に、福沢諭吉の『帝室論』と、幸田露伴の『運命』があった。

「当時は戦後間もない頃。陛下は日本の皇室の置かれる状況が刻一刻と変わっていくのを、皇太子という立場から間近でご覧になっていました。

 小泉信三の講義では2冊をかわるがわる音読したといいます。皇室の存在意義や機能を論じた『帝室論』と、古代中国の明朝の建文帝を主人公に据えた『運命』は、立憲君主制という新時代を迎え、将来天皇になる陛下の“心構え”を築くのに影響したと言われています」(皇室ジャーナリスト・神田秀一氏)

 生まれながらに天皇になる運命を背負い、一方で終戦によって「天皇の位置づけ」が大きく変わった。そんな時代に、この2冊は、「象徴天皇」を模索する礎になったのかもしれない。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン