先のフェブラリーステークスで藤田菜七子氏に愛馬・コパノキッキングの騎乗を依頼し競馬界を盛り上げたDr.コパ氏。インタビューの第二弾は、競馬の本賞金だけで30億円以上を獲得してきたという氏の馬主ライフをクローズアップする。クラブ法人などの一口馬主が隆盛を極める現代競馬、個人馬主の存在感は年々薄くなっている。そんな中でも「ファンの延長線上にあるオーナー」を自認する個性派オーナー・コパ氏の馬主哲学とは? 競走馬購入における究極の風水活用術も公開した。(取材・文/麻野篤)
──これまでに200頭以上の馬を所有されてきました。ズバリ、馬主生活は黒字ですか?
コパ「賞金は、確か5着までが公表されているんですよね。全部で30億円を超えているでしょう。だから経済的にはプラスでしょうね。でも、そういった金額以上に、記憶に残る馬が何頭かいて、種馬までもいるとか、僕自身が進行形で競馬を楽しんでいるのが何よりの大儲けと感じています」
──とはいえ、個人馬主さんとしては大変な成功者ではないですか?
コパ「そんなこともないと思いますけどね。ただ、個人馬主というのは、成功馬が一頭出ればいいほうという世界でしょ? (コパノ)リチャードとかラブミーチャンとか、いまは(コパノ)キッキング。確かにこんなに成功馬が連続するオーナーは少ないですよね」
──個人馬主さん全体を見渡しても、収支が黒字のオーナーさんは少ないと聞きます。
コパ「どうでしょう。まあ、5%もいるかいないかじゃないですかね」
競馬ファンなら誰もが憧れるオーナーライフだが、経済的意味での勝ち組に入るのは簡単ではないようだ。では、5%という狭き門をくぐり抜けるために必要な馬選びのポイントとは何なのか。ここにこそ、コパ氏独特の発想が垣間見える。
──所有馬の特徴として、超良血の高額馬は少ないという点があげられますよね。
コパ「考え方として、一番損しないのは一頭1000万円くらいの馬だと思っています。それに加えて、確率の問題じゃないですか。たとえば(良血の多い)社台さんの馬だと、普通に一頭4000万円くらいになっちゃいますよね。僕は4000万もあれば、800万円の馬が5頭買えるよなあ、となっちゃうほう。そういう観点ですね」
──いわゆる相馬眼みたいなのはありますか。
コパ「(笑って首を振りながら)ない! だって、同じ馬を2度見ても、同じ評価が出来ないんですよ。よく『コパさん!こないだはあの馬がいいって言ってましたよ』なんて言われることがある。こっちは『本当?』なんて聞き返したりしてさ。本当にいい加減なんだよ、たぶん(笑)」