その他にも昭和天皇が崩御された際、保有されていた4600件の美術品や宝飾品のうち、580件が前述の由緒物に指定され、3180件が国庫に寄贈された。天皇家のお手元に残ったのは約800件と言われている。
現陛下の在位中に献上された品や海外の王室などから贈られた品は相当数にのぼると思われる。時代を経るごとに天皇家ゆかりの美術品は増えていく。
【PROFILE】神田秀一●1935年東京生まれ。テレビ朝日にて1978年から宮内庁担当記者。1995年に退社後、フリーの皇室ジャーナリストとして活動。著書に『心に響く皇室の所作』(辰巳出版)がある。
取材・構成■祓川学(フリーライター)
※SAPIO2019年4月号