中国政府が新疆ウイグル自治区に居住している少数民族のカザフ族住民2000人に対して、中国籍からの離脱と出国を許可していたことが明らかになった。
同自治区内ではカザフ族を含む100万人ものイスラム教徒らが再教育センター(強制収容所)に収監され、基本的な人権すら認められていないとイスラム教国や欧米諸国から批判されていた。
その一方で、オーストラリア政府は豪州国籍を持つウイグル系住民17人が新疆ウイグル自治区に里帰りした際、身柄を拘束されたとして、即時解放を求めている。AP通信や英紙「ガーディアン」など複数のメディアが報じた。
それによると、中国当局は1月下旬、すでに収容所に監禁されているカザフ族2000人に対して、中国のパスポートまたはカザフスタンのグリーンカードを返還したうえで、希望者は中国籍を離脱し、出国しても良いと通告した。すでに、カザフスタンに戻っている中国籍の親族も同様の措置をとるとしている。
新疆ウイグル自治区では強制収容所に収監された少数民族の住民が釈放されるのは極めて異例で、しかも中国からの出国を認められた例はほとんどない。
この背景には、カザフスタン政府に対して、「親族が中国内の強制収容所に収監され連絡がとれない」との訴えが多く寄せられており、カザフスタン外務省が中国外務省に問い合わせていることがある。