春めく陽気に包まれた3月9日の夕方、週末の羽田空港第2ターミナルは多くの利用客で混雑していた。ターミナルの外では、車寄せに停まった1台の高級外車の周囲に人だかりができていた。中央で仁王立ちする全身黒ずくめの大男は、元プロ野球選手の清原和博氏(51)。傍らには2人の警察官が立っていた。
警察官は、頭から足元まで清原氏の全身をくまなくチェック。ダウンジャケットやジャージのポケットにも手を突っ込む念の入れようだった。
「職務質問で所持品検査を受けたみたいです。言われるがままに従っていましたが、苦々しい表情を浮かべていました」(目撃した人)
清原氏は2016年2月に覚せい剤取締法違反で逮捕され、同年5月に懲役2年6か月、執行猶予4年の有罪判決を受けた。その後は薬物専門の医療機関での治療を続け、完治を目指している。3月6日には厚生労働省主催の薬物などの依存症啓蒙イベントに、特別ゲストとして出席した。
「少しでも自分のように苦しんでいる人のためになればと思い、(出席を)決めました」
「こつこつと治療してきて、それが厚生労働省に認められたのかなと思うとすごく嬉しいと思いました」