皇室には海外からも注目が集まる。海外メディアは4月30日に迫る天皇の生前退位や皇室そのものをどう報じているのか。
日本との関係が悪化の一途を辿っている韓国では、中国以上に安倍政権批判に結びつける傾向が強い。
〈先に述べたように、天皇は幼いころからアメリカ人の家庭教師がつけられたため、自由や民主主義を尊重するリベラルな考えの持ち主であると知られている。天皇には選挙権はないが、もしも天皇に選挙権があったとすれば、安倍晋三の自民党政権には決して一票を投じることはないだろう〉(「中央日報」2016年8月17日)
同記事では、今上天皇は韓国にはまだ訪れていないことに触れたうえで、皇太子の訪韓が検討されたが実現しなかったとしている。そして原因はやはり安倍政権だと結論づけている。
〈しかし、それでも皇太子訪問は実現しなかった。安倍政権が反対したからだ。安倍総理は極めて保守的な人物で、極右思想の持ち主だ。天皇とは考え方がまったく相容れないほど異なっている〉(同前)
韓国の報道の特徴は、天皇の呼称にある。「天皇」を用いる記事がある一方で、「日王」を使うメディアもある。王のなかの王である「皇帝」は中国だけであり、日本の天皇は格下の「王」でしかない、という彼ら独特の格付けだ。天皇としての最後のお誕生日を報じた記事は次のようになる。