今上陛下は天皇としてのご責任について、「私は、この運命を受け入れ、象徴としての望ましい在り方を常に求めています。したがって、皇位以外の人生や皇位にあっては享受できない自由は望んでいません」(平成6年6月4日)とおっしゃられていた。
天皇という苛酷なご生涯。国民のためにそれを「受け入れ」るご覚悟を、皇太子殿下は天皇陛下から揺るぎなく受け継いでおられる。私どもはその厳粛な事実にまず気づくべきだろう。
●たかもり・あきのり/1957年、岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。日本文化総合研究所代表。國學院大學講師。神道宗教学会理事。『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)、『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)など著著多数。
※SAPIO2019年4月号