浅い呼吸がさまざまな不調を生む(写真/アフロ)
心身の健康のためにも、普段から深くゆっくりとした呼吸を心掛けたいところだが、それは無意識に行う呼吸であることが重要だという。東京有明医療大学学長NPO「安らぎ呼吸プロジェクト」理事で医学博士の本間生夫さんはこう言う。
「無意識に行う『代謝性呼吸』が、体内の酸素・二酸化炭素を調整する重要な役割を担っているメインの呼吸です。したがって、普段の無意識の呼吸が常に深くなるように、またネガティブな感情で呼吸が浅くなりすぎないよう、“呼吸する力”を底上げしておくことが大切なのです」
肺は呼吸筋と呼ばれるたくさんの筋肉群によって呼吸のための伸縮が支えられている。この呼吸筋を鍛えて柔軟性を保つことで“呼吸する力”を高めることができるのだ。
「呼吸する力を高めて深い呼吸を維持するためには、まず【1】胸郭を広げるために背筋を伸ばして姿勢をよくし、【2】呼吸筋をやわらかくする呼吸筋ストレッチ体操を習慣にしましょう。
このほか【3】歌や朗読などで大きな声を長く出したり、【4】残気量を減らすために息を吐ききるトレーニングを。鼻から吸って意識的に口をすぼめて吐いたり、吹き矢や吹奏楽器の演奏などが効果的。また呼吸筋は有酸素運動が有効な筋肉なので、【5】ウオーキングや水泳もおすすめです」
◆呼吸筋ストレッチ体操のやり方
肩の呼吸ストレッチのやり方はこうだ。悪い呼吸が習慣になっていると、肩甲骨まわりが緊張し、両肩が前傾しやすい。これらの部位をほぐして胸を張り、胸郭を広げる(イスに腰かけて行ってもOK)。3~6回を1セットで実施。
(1)息をゆっくり吸いながら両肩を上げる。
(2)息をゆっくり吐きながら肩を後ろに回して下ろす。
また、背中・胸筋の呼吸ストレッチもご紹介。息を吸う時に使う吸息筋、吐く時に使う呼息筋の柔軟性を高める体操。お腹に大きなボールを抱えるイメージで。3~6回を1セットで行う。
(1)胸の前で両手を組み、息をゆっくり吸いながら背中を丸める。
(2)両手を後ろで組み、息をゆっくり吐きながら肩甲骨を引き寄せるように腕を下に伸ばす。難しい場合は手を組まなくてもOK。
最後に寝起きの呼吸ストレッチも。吸息筋をやわらかく鍛えながら、息をしっかり吸うことで交感神経を高めてすっきり目覚めるための運動。3~6回を1セットで。
仰向けに寝たままひざを抱え、息をゆっくり吸いながらひざを胸に引き寄せる。吸い切ったら、ゆっくり吐きながら抱えた手を緩める。