インドで成長著しいホテルベンチャーの「OYO(オヨ)」が日本へ進出。だが、ホテル業ではなく、ヤフー株式会社と合弁会社を設立して賃貸住宅事業に本格参入することで話題になっている。彼らの狙いは何か──。ホテル評論家の瀧澤信秋氏がレポートする。
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OYOとは、2013年にインドで創業したホテルベンチャーでインド最大級のホテルチェーン。インド国内で10万以上、中国でも8.7万以上の客室を展開するなど急成長が注目されている。
経営者はまだ20代半ばの若手というから驚く。社長のリテシュ・アガルワル氏は大学を中退し、わずかなお金でインド各地を巡る中、宿泊施設のクオリティの均一感がないことを実感しOYOを設立。旅の安心感を充足できるようオンラインサービスの提供をスタートさせた。
ビジネスモデルとしては、ホテルオーナーと契約しOYOのマニュアルに沿って既存の客室をリニューアルする。水回りやリネン類からサービスまでOYOの基準を満たした部屋を提供、リニューアルの期間はわずか2週間余りという。こうしたホテルはOYOのサイトへ掲載、集客される。
急成長する新サービスということもあり業界ではハレーションも起きているようであるが、前述の中国に加えマレーシアやネパール、イギリスでもホテル事業を展開、世界的規模へ成長を遂げている。
そんなOYOが“黒船襲来”とばかりに日本に進出。しかし、展開するのは、意外にもホテル業ではなく、賃貸住宅事業だ。