国内

身近になったマッチングアプリ ぼったくりや詐欺被害急増

マッチングアプリで知り合い真面目に交際していたはずが

 人との出会いのきっかけは様々。友達からの紹介、職場や趣味の繋がり、最近ではSNSがきっかけということも珍しくない。20~30代未婚男女の5人に1人がマッチングアプリを利用しているという調査結果もある。一昔前ならネットで知り合うなんてと警戒していたような人も、利用者が増えるにつれ安心している様子だ。ところが、その気の緩みをつくようなトラブルが最近、目立っている。ライターの宮添優氏が、新興の出会い系サービスがきっかけで被害者となった男性たちの嘆きをレポートする。

 * * *
「出会い系」のサイトやコミュニティサービスといえば、かつては相当胡散臭いものであった。援助交際など児童福祉法に抵触するようなやりとりの温床で、出会い系を介して真剣な交際をし、果ては結婚する、などということは到底考えられなかったし、嘲笑の対象であった。が、それも今は昔。

 フェイスブックを活用した日本最大級の恋活サービス「omiai」や、恋愛・結婚マッチングアプリ「ペアーズ」などを使って知り合い、結婚したというカップルは少なくない。2015年頃から日本でも利用者が増えた米国発のデートアプリ「tinder」に至っては、女子大生が気軽に異性の友人を作るために利用しており、使っていることが誰かに知られても「構わない」という子もいるほどだ。だが、である。やはりそこには大きな落とし穴があると言わざるを得ない。

「とある出会い系アプリで意気投合し、2回目のデートで彼女のお勧めという東京・上野のバーに行ったんですね。近くにはラブホ街もあるし、店員もなぜか“可愛い彼女さんですね”などとプッシュしてくるし…興奮して飲んでいると会計がなんと25万。支払いを渋っていると店員は人が変わったようにガラが悪くなり、彼女も“ダサい”とか“かっこ悪い”といって泣き出す始末。仕方なくカードで支払いましたが、店を出た瞬間に彼女も人相が変わり“それしか払えねーのかよ!”と罵声を浴びせられ…。それ以来彼女とは音信不通で…」

 こう肩を落とすのは、結婚相手を探すために出会い系アプリを使用しているという神奈川県在住の会社員・桜木雄一郎さん(仮名・35)。これまでそのアプリを使って数名の女性と会い、交際関係に発展した実績もある。安心しきっていたのだ。自分は真面目に交際相手、あわよくば結婚相手を探しているのだから、当然相手も「真面目」で「真剣な子」のはずだ…いつのまにかそう過信していた末に、出会い系サービスを利用した、デート商法的な“ぼったくり”の餌食になってしまったのだ。

 こうした過信は、実は出会い系サイトやアプリを使えば使うほど、大きくなりやすいのかもしれない。千葉県在住の自営業・森本太さん(仮名・40)は、出会い系アプリで出会った女性に、文字通り「尻の毛」までむしられた。

「有料の出会い系アプリを使い始めてから、週に一人以上会えるようになりました。そのため当初は交際相手探しだったはずの目的が、いつの間にか“都合のいい人”探しになっていたのかもしれません…。そんな時に出会ったのが、東京在住のモデル・X子(二十代)でした。顔良しスタイル良し、そして雑貨輸入の会社社長ということで、結婚相手としては理想的に思えました。

 すぐに交際関係になり、X子の会社の部下だという男性にも会いました。ところがある日、この部下がミスをして、1000万円ほどの損失が出たと。会社が傾くばかりでなく、私との結婚はおろか、交際すら見直さなければならないと言われ、慌てて肩代わりしたのです。部下は泣きながら詫びの電話を入れてきましたが、金を彼女が指定した“取引先”の口座に入金した瞬間、二人とも連絡が取れなくなりました。出会いから、わずか二ヶ月ほどの出来事です。狙いはこれだったのです、劇場型詐欺というか…。まさか自分が騙されるわけがないと…。いまだに信じられません」(森本さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《虫のようなものがチャーシューの上を…動画投稿で物議》人気ラーメンチェーン店「来来亭」で異物混入疑惑が浮上【事実確認への同社回答】
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
小室夫妻に立ちはだかる壁(時事通信フォト)
《眞子さん第一子出産》年収4000万円の小室圭さんも“カツカツ”に? NYで待ち受ける“高額子育てコスト”「保育施設の年間平均料金は約680万円」
週刊ポスト
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》王貞治氏・金田正一氏との「ONK座談会」を再録 金田氏と対戦したプロデビュー戦を振り返る「本当は5打席5三振なんです」
週刊ポスト
打撃が絶好調すぎる大谷翔平(時事通信フォト)
大谷翔平“打撃が絶好調すぎ”で浮上する「二刀流どうするか問題」 投手復活による打撃への影響に懸念“二刀流&ホームラン王”達成には7月半ばまでの活躍が重要
週刊ポスト
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン