3月24日の高松宮記念から、春のGIが始まる。昨年後半は15の平地GIのうち、外国人ジョッキーが11勝を挙げた。今年もその流れは変わらないのか。『週刊ポスト』での角居勝彦調教師による連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、お届けする。
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確かな騎乗技術と競馬に対する真摯な姿勢。C.ルメールやM.デムーロが勝ち鞍を突出させるのには理由があると書きました。
しかし、彼らはゲームメイカーではありません。この点、案外誤解をされているようです。レースの主導権を握っているのは日本人ジョッキーです。
傾向として、外国人ジョッキーの馬よりも先に行きたいと思う。そう簡単に勝たせるかと、前に出て走路を締めたい心理が働く。日本人ジョッキーのその心理がレースの展開を決めます。
ところが、ルメールやデムーロは、詰まる(ことが予想される)ポジションにはいません。必ず勝負に持ち込める好位にいる。その点が陣営としては重要です。少なくとも「競馬にならなかった」という事態だけは避けてくれる。そこで負ければ納得もいきます。
日本人ジョッキーの馬がどう動くのか。おそらく彼らにはわかるのでしょう。ジョッキーそれぞれの特徴もしっかりと頭に入っている。思い切った乗り方をするのか、じっと手綱を絞るのか。寄せていくとすんなり開けてくれるのか、あるいは頑として譲らないのか。有り体にいって巧いジョッキーなのか、そうでもないのか。つまり日本の競馬を知っているということです。
かつての外国人ジョッキーはそこまでではなかった。短期免許で来日した外国人ジョッキーが「武豊をマークしておけばなんとかなる」というようなことをいったとか。最後に武豊の馬をかわせば勝てると。情報が少ない中では、そういった戦略を取るしかなかったのでしょう。