新年度を前に、自宅近くで空いた時間に働ける“ご近所ワーク”を探している主婦も多いだろう。主婦のパートといえば、スーパーのレジ打ちや飲食店での接客・調理業務などの募集が多いが、近年はそんな“副業的”主婦仕事も多様化が進んでいるという。働く主婦の調査機関「しゅふJOB総合研究所」所長兼「ヒトラボ」編集長の川上敬太郎氏が紹介する。
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この国の働き方は多様化の方向へと進んでいる。そして、その流れは主婦層の働き方にも少なからず影響を与えている。
今から10年前、女性ファッション誌が「家族が一番、仕事が二番」というメッセージを世に投げかけて話題になった。決して仕事を蔑ろにするつもりはないのに、目に見えない仕事優先のプレッシャーから、家庭とのバランスをとることに後ろめたさを感じざるを得ない風潮。「家族が一番、仕事が二番」は、家庭との板挟みの中で、100%仕事に向き合うことができていないことに悩む既婚女性たちの共感を得たと言われる。
働き方が多様化した社会とは、女性が男性に負けないようにバリバリと働く世の中、というイメージに限定されるものではない。多様化とは本来、もっと自由で広い選択肢の中で捉えられるべきものであるはずだ。
例えば、妻と夫が対等に共働きし、家事もシェアする家庭があっても良い。あるいは、妻のみが働いて家計を支え、夫は専業主夫という家庭があっても良い。人それぞれの価値観・考え方の数だけ違いは存在する。「家族が一番、仕事が二番」もまた、そんな価値観の中の一つに過ぎない。
だから、そのように仕事と家庭の狭間で思い悩むのではなく、専業主婦として100%主婦業に捧げるというスタンスもまた尊重されてよいはずである。そもそも主婦業自体が尊い役割であり、ハードな仕事だ。
中には、主婦業を本業とした上で、空いた時間に仕事をするという選択をする人もいる。むしろ、今の共働き家庭の多くはそのスタイルかもしれない。飽くまで“本業”は主婦業で、空いた時間で“副業的”に働く。そんな“副業的”主婦仕事として思い浮かぶものに、スーパーでのレジ打ちがある。
最近では無人機による自動化が進んでいるが、支払中のちょっとの間に交わされる、顔なじみのレジスタッフとの会話を楽しみにしている人もいる。レジ打ちの技能だけでなく、接客スキルも求められる仕事だ。
他にも、飲食店の店員やアパレルショップの販売員なども、“副業的”主婦仕事として選ばれることが多い。
そんな“副業的”主婦仕事に、3つの新しい潮流が生まれつつある。