スッキリしたおしゃれな部屋はいつの時代も憧れの的だ。しかし、モノを捨てたり、高級家具を買ったりと、ハードルが高いのでは…と心が折れそうになることも。
これに対して、「いえいえ、毎日の生活を支えるお気に入りのモノたちを捨てずに、それでも圧迫感を覚えさせない心地いい空間作りは、誰にだってできますよ」と答えてくれたのは、包装作家の正林恵理子さんだ。
「インテリアとして飾っておきたいモノ以外は引き出しや戸棚の中など、見えないところに収めます。その際、モノを種類や用途で分けることが大切です」(正林さん・以下同)
どこに収めるか考える時はまず、使いやすさを念頭におき、用途ごとにモノを分けてから置く場所を決める。
「例えばわが家の場合、バッグは出かける時に使うので、玄関に置いています。バッグ全部を出しておくと見栄えが悪いので、大小3種類のかごの中に分けて入れています」
同じ役割のモノは、使う場所の近くにまとめておくと、探す手間も省ける。棚や引き出しの中に入れる場合は、モノの色や素材、形、テイストを揃えると、こまごまとしたモノをたくさん入れたとしても、まとまりが出る。
「モノが多くても、すっきり見せるのに大切なのは、“統一感”と“まとまり”。一つひとつのモノの色や形が違って統一感が出ないなら、それらをまとめる仕切りやケースの大きさ・形を揃えればいいんです」
特に、食器類や調理道具は、色と素材を揃えるだけで、たくさんあっても、スッキリ見せられるという。
分類したモノを、決まったスペースに収める時、どうしたら美しく見えるのか。キーワードは、「並べる」「重ねる」だという。
「こまごましたモノは、同じ大きさ・形のケースに入れ、いくつか並べたり重ねたりすると、それらが1つのまとまりとなり、スッキリ見えます。収納ケースのデザインに凝れば見た目がかわいくなる上、インテリアにもなります。たとえ、中身が散らかっていても見えないのでおすすめです」
収納ケースは高価なものである必要はない。ジャムなどの空き瓶や菓子折りの箱など、部屋のイメージに合うなら、なんでも構わない。正林さんは、100円ショップ(以下、百均と略)の収納ケースを活用しているという。
「ただ並べて重ねるだけでなく、左右対称に並べたり、同様のケースを3つ以上並べると統一感が出ます。ただし、同じケースを並べるなら10個以内にしましょう。多すぎると単調で事務的な印象になり、おもしろ味のない収納になってしまいます」
ケースにラベルを貼るのも同様の理由でNG。中身がわかるようにしたいなら、透明のケースを活用しよう。