今年3月、スポーツ庁主導で大学スポーツ協会(UNIVAS)が発足。大学スポーツに新しい波が訪れようとしている。目玉は六大学野球の早慶戦だろう。ライバル・慶應義塾大学は、2015年に元プロの大久保秀昭監督が就任。2017年秋、2018年春に連覇を果たすなど、一足先に結果を残している。
「(慶應のことは)もちろん意識はします。ただ、半分、早稲田の人間でありながら、もう半分は慶應の人間でもある意識が大切というか……。ライバル早慶がひとセットであるから意味があるものだと思う。向こうはどう思っているかは知りませんけどね(笑い)」
1960年の秋季リーグ戦、最終週の早慶戦は2勝1敗で早大が勝利。その結果、勝ち点、勝率で並んだ両校の間で優勝決定戦が行なわれた。決定戦は接戦を極め、2試合連続の引き分けの後、第3戦で早大が優勝。これが六大学野球で伝説となっている早慶6連戦だ。
「当時、指揮を執ったのが早稲田・石井連藏、慶應・前田祐吉の両青年監督。野球殿堂入りが噂されるお二人の教え子である私と大久保監督が、再び相まみえる。最初に『なぜ自分が早稲田の監督に?』と言ったけれど、こうやって話してくると、これが自分の運命というか宿命のような気がしてきました」
新元号のもと、新たな伝説の早慶戦の舞台を整えること。それが小宮山の早大監督としての夢でもあるという。
「2020年は早慶6連戦から60周年を迎えます。勝ったほうが優勝。その年のリーグ戦最終週にそんな早慶戦をできたら、言うことはありません」
●撮影/本誌・藤岡雅樹、取材・文/田中周治
※週刊ポスト2019年4月5日号