ぺりーおぎ
NHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』。この半年間。ヒロインの安藤サクラをはじめ、さまざまな役者がこのドラマを支えてきたが、注目を集めた1人は喫茶店の店主・川上アキラを演じた加藤雅也である。もともとはイケメン枠でデビューした加藤の役者としての変貌ぶりについてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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そんなわけで、いよいよ大詰めの朝ドラ『まんぷく』。ドラマでは、カップ麺「まんぷくヌードル」が完成したが、もうひとつ、このドラマで「完成した」と感じるのは、「加藤雅也の面白おじさん」である。
『まんぷく』で加藤が演じるのは、家計が苦しい時期に主人公の福子(安藤サクラ)が働いていた喫茶店「パーラー白薔薇」の店主・川上アキラ。若いころは俳優を目指していたが、関西弁にこだわりすぎて芽が出ず、元女優の妻・しのぶ(牧瀬里穂)とともに店を開いたというアキラの特技(?)は、「サンキューベリマッチや!」など変な英語とものごとをややこしくするアドバイス。
福子の母がやっと退院してほっとしたところに「いや…うちに帰っても安心はできん」などと不安をかきたてるようなことを言い続け、しのぶから「また縁起でもないことを!」とにらまれる。アキラのノリは完全に関西の面白いおっちゃん。アキラとしのぶは、夫婦漫才みたいだ。
近年の加藤雅也だけを見ている人には、『アンフェア』でド派手なベストを着た検視官・三上薫や映画『真田十勇士』で外見は立派なのに実は腰抜けの真田幸村など、もともと面白おじさん路線一筋の俳優だと思われそうだが、実際は、彼は30年で激変した俳優といえる。
もともと1988年、モデルとして『メンズノンノ』創刊号にも登場、俳優デビューした当時の路線は、もちろんイケメンにつぐイケメンである。犬好きピープルの涙をしぼった映画『マリリンに逢いたい』(1988年)は、愛する彼女犬に会うため、沖縄の海を毎日3キロも泳いで渡ったというワンコの物語だったが、その青い海と空をバックに白いシャツとジーンズ、スニーカーで爽やかな笑顔を見せていたのが、加藤雅也だった。(当時の芸名は加藤昌也)。