日本人野手初のメジャーリーガーとして、海を渡って19年。「孤高の天才」「求道者」などと評され、周囲の人々に近寄り難い印象すら与えたイチロー(45才)が引退した。その彼のそばに寄り添い続けた妻・弓子さん(53才)は、彼の最愛の人であり、最大の理解者でもあった。
これまでメジャーリーグを2000試合取材したスポーツジャーナリストの古内義明さんは、「イチローの大活躍は弓子夫人あってのもの」と指摘する。
「イチロー選手が19年間のメジャー生活で一度も大きなけがをしなかったのは間違いなく弓子夫人が万全のサポートをしたからです。彼女は日々戦う夫と同じ目線や熱量を持ち、“選手のような気持ち”で夫を支え続けたと思います」
イチローは、元TBSアナウンサーの福島弓子さんと1999年12月に米ロサンゼルスで結婚式を挙げた。
「秘密主義のイチローらしく、交際宣言や婚約宣言は一切なし。師と仰ぐ仰木彬監督(享年70)にも留守電で結婚を伝えただけのまさに電撃婚でした」(スポーツ紙記者)
結婚翌年にイチローはマリナーズと契約し、新婚夫婦は海を渡る。異国での生活を仕切ったのは、弓子さんだった。
「結婚当初、“私にできるのは、彼が野球だけに集中できる環境を作ること”と言っていた。実際、シアトルに渡る前から家探しや買い物まで、弓子さんが得意の英語を生かして生活の準備を進めました」(スポーツ紙記者)
慣れない新生活においても、天才肌のイチローは何事にもこだわりが強かった。
「翌日の試合を逆算して、寝る時間、起きる時間などすべての時間を決めています。車で聴く音楽も気に入ればその曲だけを聴く。イチローの私生活を支えるため、弓子さんはいくつものルーティンを完璧にこなしてきました」(在米スポーツライター)