4月に行われる統一地方選の知事選や市長選は与野党対決ではなく、与野党相乗りの選挙が多い。
かつて、東京都議だった内田茂氏(80)が「都議会のドン」と呼ばれていたことは記憶に新しいが、“ドン”と呼ばれる「地方政界の実力者」は野党に太いパイプを持つことが力のバロメーターになり、「非自民党のドン」も現われる。
福島政界を仕切る亀岡義尚・県議(55)は旧民主党、奈良の川口正志・県議(85)は社民党出身だ。鹿児島市議会には、共産党を除籍されても無所属で当選(10期)を続けて市政に一定の影響力を持ち、“裏の市長”の異名を取る平山孝・市議(75)がいる。
また、大都市の選出県議や首長が「ドン」になるとは限らない。
長野県川上村で4期連続無投票当選(通算8期)を続けている藤原忠彦・村長(80)は、知事の後援団体議長や県土地改良事業団体連合会会長など多くの団体のトップを歴任し、「選挙になれば人口5000人足らずの村の村長に知事が挨拶に来る」といわれるほど県政に隠然たる力を持つ。
見落とせないのがほとんどの地方議会で与党となっている公明党議員の力だ。
統一地方選で最注目となった大阪府知事選と大阪市長選のクロス選挙でも、キャスチングボートを握るのは府議会では公明党大阪府本部幹事長の林啓二・府議(66)、市議会では同党府本部代表代行の小笹正博・市議(66)と見られている。自民党府連幹部が語る。