現役引退後から20年、全球団のキャンプ巡りを続けている野球評論家の金村義明氏(55)。すべてのキャンプに足を運び続けているからこそ分かる、各球団の変化がある。昨シーズン、最下位に終わり起死回生を目論む阪神タイガースについて、金村氏が語る。
* * *
最下位だった阪神は、金本前監督が厳しく練習させた“貯筋”がそろそろ出てきてもエエのかもしれないんですがね。若いのが伸び悩んでいる。そもそも、最下位になるような戦力じゃないハズなんですが。今年はメッセンジャー(37)、岩貞祐太(27)、移籍組の西勇輝(28)とガルシア(29)と先発の頭数も揃っていますしね。
ただ、ピッチャーで言うたら藤浪晋太郎(24)は厳しいんちゃいますか。二軍で無期限調整という話ですが、僕が現役で打席に立ったら「こんな危ない奴投げさすなや!」って阪神ベンチに怒鳴り込んでいくくらいの状態です。厳しいようだけど、自分で這い上がってくるしかないです。
阪神の不安要素は、新外国人のマルテ(27)が、去年大失敗したロサリオ(30)と同じ道を歩いてること。実戦初打席でホームラン、次にセンターにはじき返した。そこまで一緒でしたからね。いいデビューに見えますが、日本人投手に対応できなかったロサリオとフォームもそっくり。軸足が動かないぶんまだマルテのほうがマシですが、過度の期待はNGでしょう。