歌手や俳優として活躍したショーケンこと萩原健一さん(享年68)の逝去の報は、芸能界に大きな衝撃を与えた。昨秋、NHKで放送されたドラマ『不惑のスクラム』で共演した夏木マリ(66)はインスタグラムで〈この撮影が終わったら、入院するんだよとおっしゃっていたのを思い出します。炎天下の屋上で集中されていた姿は70年代に私が憧れていたショーケンに優しさも加わって素敵だなと見惚れておりました。平成の最期に逝くんですね。悲しいです〉と哀悼の意を表した。
晩年のショーケンはNHKと関係が良好だった。2015年1月にNHKのBSプレミアムで放送された『鴨川食堂』で12年ぶりにドラマ出演。さらに、2018年3月放送のNHKドラマ『どこにもない国』にも出演、吉田茂・元首相役を演じた。そして件の『不惑のスクラム』と続き、現在放送中の大河ドラマ『いだてん』にも高橋是清役で出演することが明らかになった。NHK関係者が明かす。
「昨秋、大河の目玉キャストを決める際に、ショーケンさんの名前があがりました。大河は過去に『太平記』(1991年放送)や『元禄繚乱』(1999年)、『利家とまつ』(2002年)に出演経験があるものの、それ以後は不祥事で活動休止の時期もあり、トラブルのイメージがつきまとっていた。長丁場の撮影となる大河ドラマのキャスティングは、トラブルメーカーを嫌う傾向にありますが、昨今のショーケンさんのNHKへの貢献度を考えて、出演オファーを出したそうです」
その打ち合わせ会場は意外な場所だった。
「御本人と連絡をとったところ“話が聞きたい。今すぐ自宅に来てくれ”と。打ち合わせといえばテレビ局や所属事務所の会議室で行うのが普通ですが……ご自宅で宮藤官九郎さんの脚本を読み、“おもしろい!”と快諾してくれたそうです。“最近はあまり外を出歩いていないから”と、スタッフを自宅に呼んだそうですが、この頃から体調は良くなかったのでしょう」(同前)
俳優業に勤しんだ晩年。大河ドラマが集大成となった。