「どんなに歯周病が進行していても、自分の歯を残したいという患者さんが多いです。私は患者の希望をできる限り尊重します」とする弘岡氏。その判断に、次の3つの要素も加えるという。
「口腔内で必要な歯であるか、セルフケアをしっかりできるか、禁煙できるかの3つです」
歯科医のスキルに加え、患者の日々の口腔ケアも“歯を残せるか”を左右する大切な要素なのだ。この中で、弘岡氏が特に重視しているのはタバコ。ニコチンによって血管の収縮作用が起こり、歯肉の腫れが抑制されてしまうので、正確な診断ができないという。また、歯周病治療を行なっても、治りが悪い。
●レポート/ジャーナリスト・岩澤倫彦(『やってはいけない歯科治療』著者)
※週刊ポスト2019年4月5日号