スポーツ

古巣に甘い? 評論家75人のセ・リーグ順位予想を解析【後編】

昨年、セ・リーグ最下位の阪神が優勝すると予想した評論家は?(写真:時事通信フォト)

 プロ野球の順位予想に関して、評論家たちの出身球団によってどんな予想の“傾向”が見られるのだろうか。データ分析家の岡野誠氏が、スポーツ新聞6紙(東京版)とフジテレビCS『プロ野球ニュース』の評論家75人のセ・リーグ順位予想を徹底解析する。(後編)

【*1敬称略 *2 評論家名後のカッコ内は現役時代の最長実働球団 *3 スポーツ紙と『プロ野球ニュース』の2つに出演した評論家で順位を入れ替えている場合は最新の日付を優先。川上憲伸氏については後述する】

 * * *
 昨年最下位の阪神を優勝予想した評論家もいる。吉田義男、藤田平、狩野恵輔(以上、阪神)の3人だ。

 吉田は「阪神は下馬評は低いが、若手がそろってくればわからない。その力を引き出すのが、矢野監督の仕事ですわ」(3月27日・ニッカンスポーツ・コム)と優勝理由とは思えないコメント。

 3月27日付のデイリースポーツを読むと、狩野は順位予想の解説の冒頭で〈阪神は戦い方一つで大きく変わってくる〉と多方面からのツッコミを警戒したかのような文章で始まる。その後も、〈投手力を前面に出し、1-0で勝つような野球ができるかどうか〉〈矢野監督に変わったことで、継投とか楽しみな投手起用が増えてくるのではないか〉と、予想というよりも願望が伝わってくる。

 同紙では、監督も歴任した藤田がいきなり〈阪神は優勝できる〉と力強く宣言。理由として、〈野球は投手力。先発陣に西とガルシアが加わったことが大きい〉〈打線でのプラス要素は新人の近本と木浪〉と阪神内の変化を挙げているが、他球団との比較はない。新聞の文字数の都合もあるが、全編に渡って阪神の話に終始している。こうなると、文末の〈新外国人のマルテは、ストライクゾーンがよく見えている印象〉という評価もなぜか不安になる。

 評論家といえども、人の子。順位予想には、感情が入り交じるのだろう。吉田、藤田、狩野の3人からは並々ならぬ阪神への愛情を感じる。

関連記事

トピックス

タイと国境を接し、特殊詐欺の拠点があるとされるカンボジア北西部ポイペト。カンボジア、ミャンマー、タイ国境地帯に特殊詐欺の拠点が複数、あるとみられている(時事通信フォト)
《カンボジアで拘束》特殊詐欺Gの首謀者「関東連合元メンバー」が実質オーナーを務めていた日本食レストランの実態「詐欺Gのスタッフ向けの弁当販売で経営…」の証言
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
まさか自分が特殊詐欺電話に騙されることになるとは(イメージ)
《劇場型の特殊詐欺で深刻な風評被害》実在の団体名を騙り「逮捕を50万円で救済」する手口 団体は「勝手に詐欺に名前を使われて」解散に追い込まれる
NEWSポストセブン
戸郷翔征の不調の原因は?(時事通信フォト)
巨人・戸郷翔征がまさかの二軍落ち、大乱調の原因はどこにあるのか?「大瀬良式カットボール習得」「投球テンポの変化」の影響を指摘する声も
週刊ポスト
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
沢尻エリカ、安達祐実、鈴木保奈美、そして広末涼子…いろいろなことがあっても、なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン