2017年4~9月に放送され、幅広い層から熱烈な支持を集めた帯ドラマ劇場『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)の続編が4月8日より始まる。タイトルを『やすらぎの刻~道』と変え、高齢者ホーム「やすらぎの郷」で巻き起こる日々の出来事と、主人公でシナリオライター・菊村栄(石坂浩二)が執筆する山村の夫婦の一代記『道』のストーリーが同時に描かれる。先輩入居者で「秀さん」と呼ばれる高井秀次を演じる俳優の藤竜也(77)と、新入居者・九重めぐみを演じる女優の松原智恵子(74)が、久しぶりの共演について語り合った。
松原:奥様の芦川いづみさんからは時々、藤さんのお話をうかがっていますけれど、こうしてお仕事でご一緒するのはお久しぶりですね。
藤:日活の頃はカップルのような役柄もやりましたねぇ。恋仲を演じた任侠映画『侠花列伝 襲名賭博』はちょうど50年前の作品で、半世紀経って再び『やすらぎの刻~道』で仲のいい間柄で共演が叶いました。長生きして幸せだなぁと思いますね。
松原:うふふ。私が演じる九重めぐみは、秀さん(藤が演じる高井秀次)のことが好きなんですよね。この作品は昔ご一緒した懐かしい俳優さんばかりで本当に楽しいです。冴子役のルリちゃん(浅丘ルリ子)とも現場ではまだ一度しかお会いしてませんが、共演が懐かしくて、嬉しくて。日活時代からお家が近くて、私がデビューした当時から「チーコ」と呼んでかわいがっていただいていました。
藤:僕は後輩になるので「松原さん」「藤くん」でしたね。
松原:日活では男優さんに対して“くん”付けなんですよね。新しい入居者で登場する丘みつ子さんも日活出身で会えばおしゃべりに花が咲くし、こうして同時代を生きた皆さんが顔を揃えられるのも、倉本先生が脚本をお書きになったからですね。めぐみは大根役者という言葉を知らずに「大根よりトマトのほうが好き」と言って“トマト”と陰で呼ばれちゃうような人なんですけど(笑い)、さすが倉本先生は役者をお見通しというか、ちゃんとそのまま。役を演じる俳優の個性をわかって書いてくださっているから演じやすい。