「実は、2010年代前半には、グーグルがトヨタとの提携を模索していた時期がありました。走行データをどちらが握るかで話がまとまらなかったといわれています」(関氏)
3月28日には、モネ・テクノロジーズがホンダ、日野自動車との資本・業務提携を結ぶことが発表された。孫氏は着々と“オールジャパン”を築いて、“IT界の巨人・グーグル”に挑もうとしているように見える。
前出・嶋氏は、「今後は自動運転技術でどんなサービスをするかが重要だ」と分析する。
「孫さんは、自動運転車を使ってレストランの食事を自宅や職場に届ける『宅配サービス』を構想しているのではないか。その際、建物の表札まで確認できるゼンリンのデータは非常に有効で、それほど詳細なデータをグーグルマップは持っていません。まず日本で宅配ビジネスを確立してグローバルに展開し、先行するグーグルを打ち負かすシナリオを孫さんは構想しているはずです」(嶋氏)
“宝の地図”を手に入れた孫氏は、20年にわたる因縁の相手との“決戦”に挑む構えを鮮明にし始めた。
※週刊ポスト2019年4月12日号