新元号「令和」も発表され、新時代の幕開けまでの時間も残りわずかとなった。ここからいよいよ皇位継承が行われていくこととなる。
平成最後の日となる4月30日に行われるのが、退位を国民に知らせるとともに、天皇陛下が最後に国民の代表に会われる儀式である「退位礼正殿の儀」だ。皇居・正殿「松の間」で行われる。
皇居・正殿「松の間」は、「松」「竹」「梅」の名がそれぞれ冠された宮殿の部屋の中で最も格式の高い部屋。広さ228畳、宮殿内では唯一の板張りになっており、新年祝賀の儀や首相親任式など、主要儀式のほとんどがここで行われる。
両陛下は退位後、現在皇太子ご一家が住まわれている赤坂御用地の東宮御所(東京・元赤坂)を仙洞御所として使われる予定。仙洞御所のバリアフリー化などの改修工事が済むまでのおよそ1年半、宮内庁管轄の施設である高輪皇族邸(東京・白金)に仮住まいされる。新天皇ご一家は、現在、両陛下がお住まいの皇居の御所の改修工事が終わるまで赤坂御用地から皇居に通われる。
5月1日には「剣璽等承継の儀」「即位後朝見の儀」が行われ、新天皇が即位されることとなる。
そして、10月22日に行われるのが、「即位礼正殿の儀」。新天皇の誕生について、各国代表や国内代表などがお祝いを述べる儀式だ。
平成2年(1990年)に行われた「即位礼正殿の儀」では、重さ約8tの「高御座」からおことばを述べられた天皇陛下。外国の元首や国内の代表など約2000人が参列し、30分ほどで終了した。今回の即位式では、ドナルド・トランプ米大統領など195か国の元首や、昨年ノーベル賞を受賞した本庶佑さんなど時の人が参列する可能性がある。
さらに、同じく10月22日には、皇居から東宮御所において祝賀御列の儀(パレード)が行われる。
30年前の平成のパレードでは、約4000万円のロールスロイス「コーニッシュIII」のオープンカーで、皇居から赤坂御用地内の東宮御所までの4.7kmを30分ほどかけて走行。今回は、自動ブレーキ機能など安全性能が高いことや、排気ガスなど環境性能が高いことなどの要件を満たすトヨタの「センチュリー」が採用。
前回、平成の御代がわりの際は、皇居を出た車列は内堀通りを走行。桜田門、国会議事堂正門前、三宅坂を通り、青山通りを経て赤坂御用地の東宮御所に向かった。約12万人の人々が、祝賀パレードの見学、お祝いのため沿道を訪れた。今回のパレードのルートも前回を踏襲するという。
当時、全国各地で即位反対のデモやゲリラ事件が多発。直前には爆弾テロも発生していたことから、警察官数万人で警備にあたった。
※女性セブン2019年4月18日号