まずは動力性能。テスラはクルマの電動化による脱石油を金看板としているが、単なるエコカーを作るつもりはないメーカーだ。EVはバッテリーコストが高いため、価格はどうしても高くなる。環境性能云々ではなく、EVならではの特質でその価格をユーザーに受け入れてもらおうというのが、第1号市販車のロードスター以来、一貫して取ってきた市場戦略である。
モデル3のトップグレード「パフォーマンス」の0-60mph加速タイムは3.2秒。モデルSに比べると遅いように見えるかもしれないが、実はこれで500馬力超級のハイパワーモデルと同等の数値である。それでいて価格は5万8000ドル(667万円/1ドル115円換算)。テスラ車は性能比では安いという文法は生きているのだ。
モデルYもモデル3と同じく、遅いクルマは作らないというテスラの文法が守られている。最も速いモデルの0-96km/h加速の公称値はモデル3のコンマ2秒落ちの3.5秒。量販SUVで最速級のパフォーマンスと言える数値である。バッテリー出力が一番小さい標準型でも同5.9秒と、ハイパフォーマンスカーの閾値とされる6秒アンダーを達成している。価格は3万9000ドル(448.5万円/1ドル115円換算)だ。