約一年後に迫った東京オリンピック・パラリンピック開催を前にして、世界で活躍するスポーツ選手が続々と登場する一方で、日本の子どもたちの体力・運動能力の平均値は1980年代半ばから低下傾向が続いていると言われています。ライターの小野哲史氏が、子どもの世界にも登場したIoTシューズが、体力・運動能力低下を解消するきっかけとなり得るのかについてレポートします。
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スポーツ庁が行った調査によると、「運動をよくする子ども」と「運動をあまりしない、ほとんどしない、まったくしない子ども」の二極化が明らかになっているそうです。
厚生労働省が長きに渡ってスポーツや運動を推進しているように、身体を動かすことが健康に密接に結びついているのは、もはや言うまでもありません。とくに成長期にある子どもにとって、運動は健全な心身を発達させる上でなくてはならないものです。
近年、テレビゲームやポータブルゲーム機の普及、公園や空き地といった遊び場の減少などから、子どものスポーツ実施率は年々減少傾向にあります。しかし、「運動をよくする子ども」がいるのなら、「やろうと思えばできる環境はある」とも言えます。
それにもかかわらず、「運動をあまりしない、ほとんどしない、まったくしない子ども」が多いのはなぜか。そうした子どもたちが「運動を楽しくない、好きではないと思っているから」という理由が考えられます。
だったら楽しく身体を動かし、いつの間にか運動が好きになっている――。そんな状況を作り出そうと、バンダイが昨年12月、スマートフォンアプリと連動することで遊びながら運動能力の進化をアシストするIoTシューズ「UNLIMITIV(アンリミティブ)」の販売を開始しました。
最近、耳にすることが多くなった「IoT(アイオーティー)」とは、Internet of Thingsの略で、モノがインターネット経由で通信することを意味します。アンリミティブは、加速度センサーを内蔵したユニットをインソールの下にセットし、シューズのつま先でトントンと地面を叩くだけで、Bluetoothによってアプリと連携するという仕組みです。
アンリミティブのアプリには、ウォーク・ラン・ダッシュの歩数をポイント化できる「フィールドモード」と、もも上げや反復横跳び、ジャンプといった本格的な6つのトレーニングを行う「アルティメットモード」があり、貯めたポイントを使って、速さ自慢のライバルたちとバトルするというゲームを楽しむことができます。