不祥事があれば、即座に出演作品の流通が止まり、CMは差し替えられ、莫大な違約金を請求される。コンプライアンスの厳しい昨今、芸能人や芸能事務所が「品行方正であること」を強く意識するのは仕方ないかもしれない。しかし、かつての芸能界には社会ルールを逸脱し、その身を滅ぼしながらも芸に生きたスターたちがいた。音楽界の「破滅型スター」といえば、3月17日に亡くなった内田裕也(享年79)だろう。
ビートルズ日本公演の前座を務め、ザ・タイガースをプロデュース。脚本・主演した映画『コミック雑誌なんかいらない!』では北野武を役者として抜擢して“世界のキタノ”誕生のきっかけを作った。
だが、それ以上に彼の名を有名にしたのは、数々の“素行不良”エピソードだ。1977年に大麻所持で逮捕。1983年にも酔って音楽事務所に殴り込み、逮捕されている。
「ルー・リードやレイ・チャールズといったアメリカの超有名歌手とも喧嘩しています。礼を失したとして矢沢永吉を殴ったり、オノ・ヨーコと酒を飲んで大喧嘩したり。『芸能人の10分の1は殴っている』と本人が豪語しているほど、すぐに手が出る」(音楽関係者)
プロインタビュアーの吉田豪氏が語る。