かつての芸能界には社会ルールを逸脱し、その身を滅ぼしながらも芸に生きたスターたちが確かにいた。演技でも私生活でも暴れ回った彼らは危うくもあり、しかし魅力的でもあった。
1997年に死去した勝新太郎(享年65)は、ハサイ・ホノルル空港で大麻所持で現行犯逮捕された際、記者会見で「パンツの中に勝手に入っていた」と言い放ち、「もうパンツは穿かない」という名セリフを生み出した。遊び方も豪快で知られ、破滅型スターの代表的存在だった。
それ以上に型破りだったのが、勝新の実兄・若山富三郎(享年62)だ。芸能リポーターの石川敏男氏が言う。
「例えば京都の町中の靴屋さんにいい靴があると、『これ、もろていくで~』って、勝手に持って帰っちゃう。たまったツケは全部、勝さんが払っていた」(石川氏)