また、新しいビジネスモデルを考えるのは、休日がよい。会社から帰ってきてくたびれている時は思考力が鈍っているので、やめたほうが賢明だ。休日を寝転んでテレビを見ながらダラダラと過ごすのではなく、たとえば土曜日の午後やレイニーサンデー(雨の日曜日)の半日くらいをそのために充て、考えついたことはネットで情報を調べながら詳しいメモを取っておくのである。
そうすると、1年間で50ほどの新しいビジネスモデルのアイデアが溜まる。それを読み返してみると、非常に強く心を打つものが二つか三つはあるはずだ。それについて今度はどのように資金を調達するのか、どんな人材が必要なのか、といったことをさらに深掘りして考え、具体的な事業計画を作成するのだ。
このトレーニングは、いわゆる“千本ノック”のように、とにかく数をこなすことが重要だ。そうすれば、おのずと新しいビジネスモデルを生み出す発想力や創造力が開発されていくのである。
たとえば、私の趣味の音楽で考えてみると、日本にはヤマハ音楽教室や鈴木バイオリン教室などのお陰で、ピアノやバイオリンはレベルの高い人が山ほどいる。しかし、そのぶん競争が激しいため、大半の人は稼げていない。せいぜい近所の子供に教えるくらいだ。
そこで、その人たちを組織して世界中の国々にピアノやバイオリンの先生として派遣すれば、けっこう儲かるビジネスになると思う。派遣されるほうも、近所の子供に教えているより高い収入を得ることができるだろうし海外経験を積むこともできる。