2000年代に大ブームとなった『¥マネーの虎』(日本テレビ系)に出演していた“教育の虎”岩井良明氏が、2018年にYouTubeで『就活の虎CHANNEL』を開設した。4月1日に『令和の虎』とリニューアルしたその場所で、岩井氏は当時と変わらぬ情熱的なメッセージを送り続けている。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が岩井氏に、現在の活動の原点にもなっている大学時代について聞いた。
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◆同志社大学の応援団時代に学んだ「男なら筋を通せ!」
──毎日『令和の虎CHANNEL』拝見させていただいています。動画はもちろん面白いのですが、それ以上に気になったのは岩井さんのコメント対応。普通なら無視をする類のコメントに対しても逐一返信されていることに驚きました。
岩井:僕が求める理想の番組があるんです。「暖かい番組」と言えば抽象的ですが、出演者も視聴者も悪い気分にならない番組を目指しています。炎上系YouTuberは「グッドボタン(高く評価)とバッドボタン(低く評価)のクリック数は同じくらいが良い」なんて言いますが、僕は違う。全部グッドボタンが良い。そこに一喜一憂していますからね(笑)。
──コメント欄のみならず動画内でも荒らしコメントに対して言及されているじゃないですか。それってなかなか出来ないことだと思うんです。はっきり物事を言える“勇気”はどこで獲得されたんですか?
岩井:原点は同志社大学の応援団ですね。教えられたことは「男なら筋を通せ!」、たったこれだけ。ただ、それだけは今でも愚直に守っています。
応援団時代に「今の生ぬるい世の中で、こんなに厳しいのは応援団か大相撲の世界だけ!」と先輩から洗脳されるように言われました。なんて理不尽なことを言うのかと、その真意が当時は分からなかったけれど、社会に出てようやく理解できました。
──とんでもなく厳しそう……、一体どんなことをやるんですか?
岩井:精神と肉体、その両方を追い詰めるんです。
最初は肉体をいじめ抜く。腕立て1000回、腹筋1000回といった筋トレをやるんです。でも、100回もやれば誰もがキツくなってくるじゃないですか。身体が動かなくなってくると、精神的にもおかしくなるんです。大の大人がボロボロと泣くんですから。
「他の学生は華やかなキャンパスライフを送っているのに、自分はなんのために大学入ったんだろう……」と思うじゃないですか。そんな状態になっても、先輩に竹刀でどつかれながらやり続ける。
──すごい世界ですね。それで精神の方は……
岩井:毎日こんなことをしていれば、肉体的に厳しいことが当たり前になってくるんです。ある程度、身体が出来上がった頃に合宿に行くんですよ。そこでは“基本”という練習をやります。
「手を横に伸ばして回す」といったシンプルな動きです。しかし、10分もやれば手が水平よりも下に落ちていく。それが先輩に見つかると飛び蹴りをくらいます。鼻水を垂らし、泣きながらやるんですね。一年生が終わる頃には相当、精神力が強くできあがる。肉体をめちゃくちゃに傷つけることで精神を鍛えるんですよ。後付けなんですね。
──応援団とは通過儀礼なんですね。
岩井:応援団に入ると人が変わります。「こんな苦しいことを経験したのだから自分はお前らよりすごい」といった変な自信も生まれる。だから、当時は応援団と体育会以外の学生を「一般学生」と呼んでいました。今、考えるとすごく失礼な呼称ですよね(笑)