大阪ダブル選の圧勝から一夜明けた4月8日、大阪維新の会の「生みの親」である橋下徹氏がフジテレビ系の番組で「大阪都構想」実現に向けての新たな“宣戦布告”をした。
「全部立てていく。エース級のメンバーがもう準備できている」
維新が次の衆院選で、公明党の現職がいる大阪、兵庫の6選挙区すべてに“刺客候補”を擁立するという意味だ。そして、刺客の1人に大阪市長から府知事に転じたばかりの維新のエース、吉村洋文氏の名前を挙げて驚かせた。
「知事になっても次の衆院選になったら、公明党を倒しに行く。公明党がちゃんと話をつけるのか」
橋下氏が公明党を名指しで宣戦布告したのには理由がある。維新はダブル選の勝利で大阪市を大阪府に統合する悲願の「大阪都」実現に大きく近づき、年内にも、一度否決された住民投票に再チャレンジする方針と見られている。
「大阪都構想を掲げて戦ったダブル選挙も府議選、市議選も圧勝した。この勢いで住民投票を実施すれば、今度こそ府民の賛成を得られる。できるだけ早くやるべきだ」
維新の議員からは、住民投票の早期実施を求める声が強い。4年前の住民投票で都構想を否決され、市長退任と「政界引退」を表明した橋下氏自身にとっても、次の住民投票はリベンジマッチといっていい。
だが、それには超えなければならないハードルがある。府議会と市議会の賛成がなければ、住民投票を実施できないのだ。