製作終了から31年。男たちを魅了した日活ロマンポルノの女優たちはスクリーンから去った後、どんな人生を歩んだのか──。ロマンポルノにおいて初めて現われたアイドル女優が、愛らしい顔立ちの原悦子だ。
「もともとはモデルをやっていました。ただ、私は女優志望だったので、事務所からピンク映画の話が来たんです。びっくりはしたけど、女優でやっていくんだから裸になることも受け止めようと」
デビューは日活ではなく、別会社のピンク映画だった。ここで40本ほど出演して人気が出たため、日活からスカウトされる。
「私の出演作は独立系の映画会社なのにお客様で満杯。ところが日活は低迷期に入っていてガラガラでした」
そしてロマンポルノにおける原悦子の人気は爆発する。ファンクラブ会員は76万人、サイン会は日本武道館、という規格外のスケールを誇った。ナースや女子高生、若妻などを主に演じた。ソフト路線ではあったものの、18歳未満は劇場に入れない。そこで原は、日活に異例のお願いをした。
「中高生のファンのために、一般作として公開してもらったのが『おさな妻』(1980年)です。ようやくスクリーンの私を見ることができた若いファンの人に喜んでもらえて、私にとっても思い出深い作品です」