結婚を夢見ながらも、結婚に惑う女性たち。彼女たちは男性に何を求めているのか? 結婚した人と、しない人──婚活女性たちの「分岐点」をレポートするシリーズ。
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◆理系カップルが出会った読書会
「学生時代から友達は少なかったんです。女友達も少ないし、ましてや男友達なんて……。なのに、私が結婚できたのは、友達のおかげだったといえます。人生ってわからないものですね」
静かに、嬉しそうに話す今日子さん(34)は、平成最後の正月に入籍した。お相手は同い年の仁志(ひとし)さん。薬剤師として働く今日子さんと、大手メーカーの技術者である仁志さん、この理系カップルが出会ったのは、とある読書会だった。
「人づきあいが苦手で、将来、結婚ができるかわからないから、手に職をつけなければと薬学部に進みました。趣味は一人でできることばかりで、小さい頃から読書は好きだったんですね。ただ、やっぱりこんな私でも、感想を人と分かち合いたいとか、趣味の合う友人がほしいという気持ちはあって……。勇気を出して読書会に行ってみようと。いま、読書会っていろいろあるのですが、大規模なものはちょっと怖かったので、まず、小さな読書会に参加してみました」
人づきあいが苦手というが、幼少期は運動が好きで、活発な子供だった。だが、中学時代、いじめにあって、性格が変わってしまったという。いじめの発端は、今日子さんのぽっちゃりした体型を揶揄するものだった。それが次第に、腹黒いとか、男子に媚びているとか、様々な言いがかりをつけられてクラスの女子全員に無視された。
「スクールカーストの上のほうの女子に目をつけられやすかったんです。私、自分でいうのも何ですが、小学校のときからけっこうモテたんですよ。地味で太ってるのにモテるって、彼女たちにしてみたら許せなかったんだろうな、というのが大人になった今ならわかります。でも、当時はどうしていいかわからなくて、登校拒否になってしまった。勉強もできたのに、落ちこぼれてしまって、志望高校に入れず、以来、10年くらい、暗黒人生を送ってきました(笑)」
志望校でなかった高校は女子高で、高校生活は嫌われないよう、目立たないように送った。一浪して薬学部へ。好きな読書や映画関係のサークルに顔を出してみたが、周囲のとくに同性に馴染めないような気がして、足が遠のいて行った。勉強に真面目にとりくんだ大学生活は、どこか物足りなかった。